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オルタナティブデータ投信とは?儲かるのか?

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2020年3月3日の日経新聞にオルタナティブデータを活用して運用する投資信託が紹介されていました。

オルタナティブデータとはGDPや失業率などの一般的なマクロデータではない「クレジットカードの決済情報」や「SNSの書き込み」など、ミクロの経済活動の中から得られるデータを指します。

これらのデータは個人では入手困難であり運用に生かすことはできませんが、投信経由であれば間接的に活用が可能となります。

日経新聞で具体的に挙げられていた投信は下記の4ファンドです。

投資対象と活用されているデータ(日経新聞から引用)も併せて掲載します。

オルタナティブデータ投信リスト
クレジットカードの利用履歴、特許情報、衛星写真、SNSの書き込み情報を活用すると言われると凄そうに見えますが、実際のパフォーマンスがどうなっているか気になるところです

下記のチャートは上記4ファンドの設定来チャートです。

各ファンドの投資対象の代表的なインデックスとの比較チャートにしてあります。

オルタナティブデータ投信チャート①

オルタナティブデータ投信チャート②

全てトータルリターンのチャートです。

4ファンドの中で「ブラックロック・米国小型株式ビッグデータ戦略ファンド(為替ヘッジなし)」のみが参考指数を上回っています。

ちなみに「MASAMITSUデータセクション・ビッグデーターファンド」は日本株のロングショート・ファンドですので上昇局面の値上がり率が低くなるのはある程度仕方がないと言えます。

ただし、トータルリターンがマイナスになっているのはいただけません。

これを見る限り、オルタナティブデータによるアクティブ運用は今のところ、効果があるとは言えないようです。

今後、運用モデルが進化していく中でパフォーマンスが向上することを期待したいです。

唯一、参考指数を上回った「ブラックロック・米国小型株式ビッグデータ戦略ファンド(為替ヘッジなし)」のチャートをみると、当初は参考指数を下回るパフォーマンスでしたが2019年に入り上回ってきています。

当ファンドの販売用資料をみるとオルタナティブデータ(ビッグデータ)の解析手法を日々進化させているようです。

また、最先端の分析方法を常に開発しているとも記載されています。

このような積み重ねがパフォーマンの改善・向上に寄与しているものと思われます。

他のファンドも日々進化させて、少なくとも参考指数を上回るようにしてほしいところです。

また、オルタナティブデータを活用して運用する際の投資対象にも向き不向きがあるのかもしれません。

「ブラックロック・米国小型株式ビッグデータ戦略ファンド(為替ヘッジなし)」は名前の通り、米国の小型株が投資対象です。

一般的に大型株より小型株の方が銘柄選択効果が大きくなりやすいと考えられます。

オルタナティブデータを活用する際も小型株の方が特徴が出やすいと思われるため、日本の小型株のオルタナティブデータ投信があれば面白いのではないでしょうか。(流動性の問題があるかもしれませんが)

加えて、世界中の株式・債券を組み入れるバランスファンドで株式と債券の比率をオルタナティブデータを活用して変更していくような投信があっても良いのではないでしょうか?

基本ポートは株式:債券=50:50で、景気が悪化しそうになったら株式を減らして債券にシフトして、景気が回復しそうな局面では株式の比率を増やすような投信です。

もちろん、オルタナティブデータによる運用が高度化していることが前提ですが、どこかの運用会社で設定すればニーズはありそうです。

上記4ファンドで唯一、超過リターン(α:アルファ)を出したブラックロックがその手法をアレンジしてファンドを設定しても面白いと思います。

今後、オルタナティブデータ(ビッグデータ)投信がどれくらい広がるか注目です。

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