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ソフトバンクグループ(9984)の企業価値を分析

ソフトバンクグループ(9984)は暗いニュースが増加

ソフトバンクグループ(9984)は足元、厳しい環境に見舞われています。

ビジョンファンドを通じて投資している、米シェアオフィス大手のウィーカンハニー(ウィーワークの運営会社)の企業評価が大きく低下したことでIPOが延期となりました。

さらにIPOによる資金調達を前提に運営されていた為、同社の資金繰りがタイトな状態となり、結果的にはソフトバンクグループが自社でウィーカンパニーヘの追加出資を行うことになりました。

また、主要投資先であるウーバー(Uber)は2019年5月10日の上場後、大きく株価を下げています。

IPO時の公募価格45ドルに対して、足元は27ドル前後と約40%も下落しています。

そして、ソフトバンクグループ(9984)自身の2019年7月~9月期決算もウィーカンパニーの評価減などが響き、約7000億円の最終赤字となりました。

ソフトバンクグループ(9984)の株価は2019年7月下旬には5,800円前後でしたが、足元は4,000円前後まで下落しています。

時価総額ランキングでは、少し前までトヨタに次いで国内第2位でしたが、足元は時価総額が9兆円前後まで低下し国内第5位となっています。

ソフトバンクグループ(9984)の企業価値を計算

ちなみにソフトバンクグループ(9984)は現在、純粋な投資会社のようなイメージです。

よって、会社の価値を計算することは比較的簡単です。

ソフトバンクグループの保有資産総額・負債・純資産の一覧はこちらです。

ソフトバンクグループの企業価値
保有株式・ファンド合計で27.1兆円あります。

一方、負債から現預金を差し引いた純負債は4.5兆円です。

差引き22.6兆円の純資産価値ということになります。

これに対して株式時価総額は8.9兆円です。

1株当たりのデータにすると一株当たりの保有資産評価は13,100円です。

そして、そこから純負債を引いた1株当たりの純資産は10,910円となります。

これに対して株価は4,000円前後です。

よって、資産をすべて時価評価した上でのPBRは0.4倍程度ということになります。

まるでメガバンクのバリュエーションのようです。(冗談ですが、ソフトバンクといっても銀行ではありません。やわらか銀行ではありません。)

これをみると孫さんが自社の株価が安すぎるというのも何となく理解できます。

ただし、投資会社ですので投資先の価値が低下するリスクは常につきまといます。

外部環境により株価が下がることもあり、ソフトバンクグループでコントロールできない部分も存在します。

また、ウィーカンパニー(ウィーワークの運営会社)のように未上場にもかかわらず、数ヶ月で80%近く価値が毀損するケースもあります。

これらのリスクを織り込むと、かなりディスカウントした評価にならざるを得ないのかもしれません。

ただし、ソフトバンクグループの場合、ビジョンファンドが10兆円ファンドとして注目されがちですが、保有している価値は3.2兆円しかありません。

それより、アリババの12.8兆円や国内携帯電話ソフトバンク(9434)の4.7兆円の方が影響が大きくなります。

しかし、アリババは純利益が1兆円以上の優良企業ですが、既に時価総額も巨大で、創業者のジャツク・マー氏が退任することから、ここから株価が大きく上昇することは見込みにくい状況です。(時価総額は約50兆円で世界トップ10に入っています)

ソフトバンク(9434)も国内携帯電話が主要ビジネスであり、ある程度成熟したビジネスであるため、株価の安定性は高いですが大幅高は見込めません。

この辺もディスカウントされる要因かもしれません。

ソフトバンクグループ(9984)の株価予想は難しいが債券は買い

結局、ソフトバンクグループ(9984)の株価は純資産に対して常に大きくディスカウントされた状態ですので、見通しを予想することは難しいといえます。(投資先の株価が上がればそれにリンクして上がるというわけでもありません)

一方、足元安くなっている米ドル建ての劣後債などは投資妙味があります。

ファーストコールまで3.8年で、7.5%の繰上償還利回りです。(クーポン6%のドル建て劣後債の単価が95前後です)

コールをスキップすると格付け会社が格付けを行う際の、資本認定割合が低下するので余程環境が悪化しない限り、償還される蓋然性は高いと思われます。(資本性が認められないのであれば劣後債を発行しておく意味がありません。

償還してシニア債を発行した方が調達コストは下がります。(現在、同じ残存期間のシニア債は3.5%前後の利回りです。)

ウィーカンパニーやウーバーなどビジョンファンド(10兆円ファンド)の投資先はどうしても話題になりやすいですが、上記の通り、ソフトバンクグループ(9984)に対する影響度はそれほど大きくありません。

アリババ・ソフトバンク・スプリント・Armの4社で資産の85%を占めます。

また、この4社は比較的業績が安定している会社でもあります。

米ドル建ての劣後債を含む純負債は4.5兆円もありますが、資産は27.1兆円あります。

これらを総合するとソフトバンクグループ(9984)が破綻する可能性はかなり低く、債券が下がった時は買いだと思います。