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絶好調のデンマーク・カバードボンドはデュレーションが変化する特殊な債券

デンマーク・カバードボンドは高パフォーマンス

デンマーク・カバードボンドの投信が絶好調です。

ニッセイ・デンマーク・カバード債券ファンド(為替ヘッジあり)【愛称:デニッシュ・インカム】の基準価格の推移がこちらです。

デニッシュインカム設定来チャート

2018年4月16日の設定からまもなく1年ですが、基準価格は安定的な右肩上がりで3.5%のプラスです。

このご時世、円ヘッジ外債でこのパフォーマンスは驚異的です。

ちなみにデニッシュ・インカムのポートフォリオ最終利回り(デンマーク・クローネベース)は2.11%です。(2019年1月末)

デンマーク・クローネは日本円より金利が低いことから、円ヘッジするとヘッジプレミアムとなります。

2019年1月末時点のヘッジプレミアムは0.43%ですので、円ヘッジ後の最終利回りは「2.11%+0.43%=2.54%」となります。

信託報酬は約0.9%となっていますので、コスト控除後の最終利回りは1.64%となります。

逆算すると設定後にデンマーク・カバードボンドの債券価格は約2%値上がりしていることになります。

理由は単純にデンマークの金利低下です。

デンマーク・カバードボンドはクレジットリスクはほとんどありませんので、価格変動要因の大半が金利の変化です。

デンマークの5年国債利回りを比較すると、

  • 2018年4月16日:0.04%
  • 2019年1月末:-0.30%

0.34%金利が低下しています。

これが2%の債券価格の上昇要因です。

ちなみにこちらがデンマーク5年債の利回り推移です。

デンマーク5年国債利回りチャート

デンマークは日本以上に歴史的低金利ということが分かります。

カバードボンド及びデンマーク・カバードボンドについての詳しい内容はこちらをご覧ください!

デンマーク・カバードボンド仕組みと条件 / デニッシュインカムのデータで説明

カバードボンドは金融機関が発行する債券ですが、その金融機関が保有するローン債権を担保にとして発行されるため、一般的な債券よりも信用度が高く、格付けはAAやAAAといったレベルです。(デニッシュインカムの組み入れ銘柄は全てAAA)

また、デンマークのカバードボンドはカバードボンド市場の中でも発行量が最大級となっています。

カバードボンドの中で、デンマーク・カバードボンドの最大の特徴は「パススルー方式」で発行される点です。

パススルー方式の場合、担保となるローン債権が繰上償還されるとカバードボンドの期間も連動して短くなります。

よって、金利が低下した場合は繰上償還が進むことからカバードボンドの残存期間は短くなっていきます。

つまり、金利が低下するとデュレーションが短くなることにります。

逆に金利が上昇すると繰上償還が想定よりも遅れるため、カバードボンドの償還も後ずれすることになります。

つまり、金利が上昇するとデュレーションが長くなることになります。

金利低下時はデュレーションが短く、金利上昇時はデュレーションが長くなるため、一般の債券と比較すると金利低下時の債券価格の上昇率は小さく、金利上昇時の債券価格の下落率は大きくなります。

このリスクの代わりとしてデンマーク・カバードボンドは高い利回りが得られます。

デニッシュインカムの月次レポートではデュレーションは「期限前償還考慮後デュレーション」と表現されています。

デニッシュインカムポートフォリオ概要

「期限前償還考慮後デュレーション」は7.42年となっています。

5年国債利回りがマイナスの環境で、デンマーク・カバードボンドはAAAにも関わらず最終利回りが2.11%ですから人気があるのも分かります。

現在の組入上位5銘柄はこちらです。

デニッシュインカムポートフォリオ銘柄
組入上位5銘柄と言っても、この5銘柄で93.6%を占めます。

組入れされているカバードボンドの償還日を見て頂くと、いずれも償還まで30年前後あることが分かります。

そしてクーポンは固定金利です。

この条件で一般的な債券の場合はデュレーションが20年以上になるはずですが、カバードボンドの場合は7.42年となっています。

この差は担保ローンの期限前償還によるものです。

7.42年はあくまで現時点の「期限前償還考慮後デュレーション」ですので、デンマークの金利水準が上下すると「期限前償還考慮後デュレーション」も変化します。

デンマーク5年国債の利回り推移から、今後の金利上昇リスクはそれなりに高いと感じます。

金利が上昇した場合、デュレーションが長くなるので債券価格の下落は想定よりも大きくなる可能性があります。

よって、現在のトラックレコードは安定的に推移していますが、欧州の金利上昇時には大きく下落する可能性があるので注意が必要です。