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1年間で総人口27万人減少/移民18万人増でも自然減44.8万人

これまでも人口減少については何度も掲載してきましたが、新しいデータが公表されましたので、警笛の意味も含めて書かせていただきます。

2018年の人口動態統計のデータです。

  • 2018年に生まれた子どもの人数は92.1万人
  • 2018年の死亡者数は136.9万人
  • 人口の「自然減」が44.8万人
  • 移民も含めた総大口でみると27万人の減少

総人口は1億2,650万人ですので、1年間で約0.21%の人口減です。

人口27万人と言えば墨田区(26万人)の人口より多い数字です。

1年で墨田区の人口がなくなると考えると恐ろしいです。

これでは景気を良くしようとしても100%無理です。

また、年金財政の維持も100%無理です。

しかも移民が17万人~18万人も増加しているにもかかわらず27万人減です。

安倍首相は「50年後の人口1億人の維持に真正面から取り組む」と言っていますが、もっと短期的な目標を掲げて大胆に取り組んでほしいものです。

また、「人口が減っても生産性を上げれば経済成長は可能」という人もいますが、それは妄想です。

そもそも先進国で継続的かつ大幅な人口減を経験した国はドイツの2002年~2011年のみです。

ドイツの人口は2002年の8,158万人から2011年には8,028万人となり、9年間で130万人(9年間で1.6%)の減少となりました。

しかし、ドイツの場合は(日本と違い)この状況に対応するため、壮大な準備をしていました。

関税がないEUという枠組みに加え、1999年からユーロ圏を形成し、スペインなどの経済成長による利益を自国にも取り込めるような仕組みを形成しました。

これにより人口減少下でも経済成長が可能となりました。

日本もインドネシア・タイ・ベトナムなど成長余地がある国と「関税なし+同一通貨圏」を形成できれば良いのですが、現実的ではありません。

2012年以降のドイツは移民の増加やその移民の出生率の上昇もあり、人口が再び増加傾向となっています。

ドイツ以外の名目GDPランキング上位の国で米国・イギリス・フランス・イタリア・カナダなどをみても、一時的に人口減少を経験した国もありますが、恒常的に減少している国はありません。

このように人口減少を経験したのは2002年~2011年のドイツのみで、ドイツの場合はEU・ユーロ圈といった「関税なし+同一通貨圏」の仕組みを形成することで乗り越えました。

日本も根拠のない「生産性を上げれば経済成長は可能」という理論ではなく、大胆な政策が必要です。

個人的には少し過激かもしれませんが、米国との「関税なしの同一通貨圏」が良いと思っています。

急に通貨がドルになるのも違和感があると思うので、日本国内では円表示のまま1ドル=120円位で固定すれば良いのではないでしょうか。

経済的な観点で見た場合、米国から見た日本は、景気悪化時の調整弁のような役割を担ってきました。

プラザ合意やリーマンショック後の金融緩和に代表されるように米国が困った時、ドル安円高で日本が我慢し、米国経済の回復を助けてきました。

同一通貨圏になるとこれができなくなるので、通常であれば米国は認めてくれませんが、現在はチャンスです。

足元、米中が様々な分野で牽制し合っているのは、あと数年で中国の名目GDPが米国の名目GDPを上回ってしまうことが根底にあります。

米国はこれまで世界1の経済大国を維持し、米ドルを基軸通貨とすることで大きなメリットを享受してきましたが、大きな転換点に来ています。

米国と日本が同一経済圏になれば、中国に逆転される時期を大きく遅らせることが可能となります。

もちろん同一通貨圏となると金利も同じになったり、財政支出も大きく制限されるので問題が多いことも事実です。

でも、日本の現状を考えた場合、これくらいのことをしないと良い方向にはいかないと思います。