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小粒のIPOが多すぎる/上場基準を見直すべき/証券会社はIPO件数を競うのはやめるべき

ここ数年、毎年70社~90社前後の企業がIPO(新規株式公開)を行っています。

現在の日本の上場企業数は約3,700社まで増加し、なんと米国(約3,600社)を上回る数となっています。

ただし、時価総額は米国が日本の約5倍あります。

  • 米国の時価総額:約29.1兆ドル(3,288兆円)
  • 日本の時価総額:約5.7兆ドル(644兆円)

どう考えてもおかしいです。

実は米国の上場企業数は1990年代中旬から大きく減少しています。

ピーク時は8,000社近くあったので半分以下になった計算です。

米国の上場企業数が減少した理由はこちらです。

  • 上場企業同士の合併が増加
  • 経営の自由度を求めてMBOが増加(投資ファンドが活躍)
  • 大企業による新興企業の買収が増加したことで小規模IPOが減少
  • 未上場のまま資金調達ができる環境が整備された(ユニコーンの増加)

日本ではいまだに規模の小さなIPOが多いと感じます。

証券会社同士が「IPO件数No1」など件数を争っていることも大きな問題です。

これにより、本来は上場してはいけないような会社が上場しているケースも散見されます。

東証マザーズは時価総額10億円以上であれば基準をクリアしますが、それをクリアすればなんでも良いわけでなく、その後の成長期待値などもIPO審査時に考慮すべきだと思います。

下記は2018年1月~6月にIPOを行った銘柄のデータです。

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  • 黄色:時価総額100億円未満
  • 緑:直近価格が公募価格を下回る

2018年11月28日時点の時価総額を確認すると約半数が時価総額100億円未満です。

また、多くの銘柄は上場直後がピークでその後、長期下落基調になっています。

「時価総額が数十億円」で「上場直後がピークで長期下落」の銘柄は投資家にとって何のメリットもありません。

上場直後に短期売買のおもちゃとなる程度です。

もちろん、一度下落してもそこから復活して成長する銘柄もありますが、ほんのごくわずかです。

このような上場企業を増やしても健全な市場を創ることはできません。

取引所は審査基準を工夫し、金融庁は証券会社に指導して、魅力的なマーケットを創ってほしいと思います。