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米・豪の政策金利が逆転してもそれほど豪ドル安になっていない理由

2018年7月現在、米国の政策金利は2.0%、豪州の政策金利は1.5%と米国の方が高くなっています。

過去、ほぼ全ての期間で豪州の方が米国よりも政策金利は高く推移してきました。

米国の政策金利が豪州を上回っていたのは1997年6月~2001年3月までの期間のみです。

この期間は豪ドルが1豪ドル=0.50ドルまで大幅に下落したこともあり、2017年5月の記事で米国と豪州の政策金利逆転による豪ドル安リスクについて掲載させていただきました。

しかし、2018年3月以降、実際に逆転してもそれほど豪ドルが下落した印象はありません。

もちろん今後も米国は利上げが継続されるので、金利差が拡大し、どこかのタイミングで豪ドルが下落するのかもしれません。

しかし、これまではあまり影響が出ていないので、他に理由はないか探した結果、1つ重要な事実を発見しました。

それは米・豪の実質金利です。

ちなみに「実質金利=名目金利-インフレ率」となります。

ここでは名目金利は政策金利を使用します。

まず、2000年12月31日の金利・インフレ率・実質金利の水準はこちらです。

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この時は米国の政策金利がインフレ率に対して高めに設定されており、米国の実質金利が高くなったことで相対的に豪州の実質金利が低くなりました。

しかも実質金利差が2.6%と大きいこともあり、豪ドルが大幅に下落したものと考えられます。

次に2018年6月30日の金利・インフレ率・実質金利の水準はこちらです。

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米ドル・豪ドル共に実質金利はマイナスですが、相対的に豪ドルの方が金利が高くなっています。

これが現在、豪ドル安が進まない理由だと考えられます。

要するに為替を分析する際は名目金利だけでなく、インフレ率も考慮した実質金利も確認する必要があるということです。

先日も下記の記事で為替レートを語る上でインフレ率が重要と掲載しましたが改めてそう感じました。

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また、ドル/豪ドルと米・豪の実質金利差の推移はこちらをご覧ください:豪ドルの予想で重要なのは金利差ではなく実質金利差 - ファイナンシャルスター