外国株(世界株)

株式投資には注意すべきタイミング/当面のリスクをまとめました

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個人的願望としては株式市場が右肩上がりになって欲しいのですが、足元のマーケットはネガティブな材料も増えてきているので注意が必要です。

下記に2018年6月時点で注意すべきポイントを掲載します。

①米中貿易戦争の可能性

米国は中国に対し500億ドル相当の輸入品に25%の追加関税を課すと表明し、7月6日に340億ドル分を発動予定となっています。

中国も直ちに報復措置を発表し、米国と同額の500億ドル相当の輸入品に25%の追加関税を課し、7月6日に340億ドル分を発動するとしました。

トランプ大統領は報復の報復を行うと公言しており、互いに譲らない場合、グローバル経済にも大きく影響を与えそうです。

7月6日までに実務レベルでの交渉を行い、落ち着きどころを探せるかがポイントなりそうです。

この問題は中国が経済規模で米国を上回る可能性があることが根底にあるので、長期化する可能性もあります。

②世界株式の水準は対GDP比でやや高め

世界の株式時価総額と名目GDPを比較すると数年前のような割安感はなくなっています。

PERなどのバリュエーションが特に高すぎるわけではありませんが、調整する余地はそれなりにあると思われるので注意が必要です。

③中国の債務問題

中国の場合、政府や家計の債務比率(GDP比)はそれほど高くありません。

問題なのは(非金融の)企業の債務です。

これは多くが国有企業なので政府債務と考えることもできますが、名目GDPの160%まで拡大しています。

ちなみに家計も含めた民間債務は対GDP比で200%以上となります。

また、正確な統計を取りにくいシャドーバンキング経由で不動産や中小企業に資金が流れており、中国当局が規制を強めています。

中国の債務問題は言われ始めてからすでに5年近く経過していますので、結局何も起こらないかもしれませんが、こういった問題は忘れたころにやってくることも多いので注意が必要です。

④ドイツの景況

景気悪化懸念が出てきています。

景況感の見方を示す「ZEW景況感指数」は2018年6月に−16.1と前月からさらに低下しました。

「ZEW景況感指数」は0を下回ると景気見通しに悲観的であることを表しますが、現在は欧州債務危機でグローバル経済が混乱した2012年以来の低水準です。

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⑤米国10年債の利回りが上昇しない

米国10年債利回りは一時的に3%を超えましたが、現在は2.9%台で低位安定しています。

FFレートが2.0%、2年国債が2.54%、3年債が2.66%、5年債が2.78%、7年債が2.87%で10年債が2.90%です。

前回の利上げ局面でFFレートが2.0%であった2004年11月頃の10年債利回りは4%を超えていました。

米国の2018年5月のCPIは+2.8%、コアCPIが+2.2%とやや高め数字となっています。

10年債利回りは3%を超えて3.5%を目指して上昇するのかと思っていましたが、上昇しそうにありません。

そして、30年債でも3.03%です。

逆イールドー歩手前ですが、債券マーケットは景況感の悪化を予想しているのかもしれません。

個人的には今後、ECBが金融引締めにシフトし、その後、日銀が金融引締めにシフトする頃まではマーケットが大きく崩れることはないのではないかと思っていますが、現在の株価水準がそれ程割安な水準でないことと悪材料が少しずつ増えてきていることから、注意が必要だと感じています。

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