J-REIT・国内不動産・インフラ投資法人

J-REITがファンドの買収対象になることはプラス

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2017/2/24の日経新聞に掲載されていましたが、割安なJ-REITに対してファンドが買収を狙っているとのことです。

記事では2017年の8月頃に「著名なファンドがサムティ・レジデンシャル投資法人(3459)に買収を突きつけた」とありますが、サムティはその後、大和証券と提携し大和証券がサムティ・レジデンシャル投資法人(3459)の35%を保有する形となりました。つまり、大和証券が救済する形となりました。

当時のサムティ・レジデンシャル投資法人(3459)はNAV倍率が0.8倍前後と割安であったことから、買収した上で不動産を売却した方が利益が出るとの考えです。

現在のマーケット環境であれば鑑定価格よりも高く売却ができる可能性が高いことから見た目以上の利益が期待できるとの思惑もあったはずです。

現在、サムティ・レジデンシャル投資法人(3459)は投資口価格が上昇したことでNAV倍率は1.0倍前後となっています。

このような動きが出ることでNAV倍率が1倍を大きく下回る状態で放置されることが減少すると思われ、J-REIT市場にとってはプラスとなります。

現在、NAV倍率が最も低いのはグローバル・ワン不動産投資法人(8958)の0.84倍です。

グローバル・ワン不動産投資法人(8958)はサムティ・レジデンシャル投資法人と異なりオフィスビル特化型です。

レジデンシャルと比較してオフィスビルは景況感の変化による価格の変動が大きくなります。

時価総額935億円、NAV倍率0.84倍ですので鑑定価格をベースにした自己資本は1,113億円となります。

つまり、935億円で買収して全ての物件を鑑定価格で売却すれば1,113億円が残ることになりますので178億円の利益です。

約20%ほど儲かることになります。

グローバル・ワン不動産投資法人(8958)は大型の優良物件ばかりですので、現在であれば鑑定価格以上で売れると思いますが、マーケットはそう見ていないのでしょうか。

ただし、グローバル・ワン不動産投資法人は安定株主が50%いるのでファンドが買収することは難しそうです。

割安なのでもう少し買われても良いと思いますが、マーケットはオフィスビル市況は今後弱くなると見ているのかもしれません。

グローバル・ワン不動産投資法人は割安に放置されている投資口価格が見直されるように自社株買いを公表しています。

個人的にはもう少し上昇しても良いと感じていますが、今後の推移に注目です。

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