ファイナンシャルスターLite

ハイレベル金融サイト「ファイナンシャルスター」のサテライトサイトです。最新の金融情報をお届けします!

スターアジア不動産投資法人(3468)のメザニンローン債権への投資は理にかなった行動

スターアジア不動産投資法人(3468)は不動産を対象資産とするメザニンローン債権の投資を始めています。

現在は2つの案件で7.3億円の投資ですが、総資産の5%を上限に今後も増やしていく方針のようです。

メザニンローンの仕組みについてはこちらを参照してください:メザニンローンのポイント/不動産ファンド事例 - ファイナンシャルスター

J-REITでメザニンローンに投資しているのは現状ではスターアジア不動産投資法人のみですが、J-REITがメザニンローンに投資することは非常に合理的な行動と言えます。

ちなみにJ-REITは導管制の要件を満たすために、利益のほぼ全てを分配金として支払うのでキャッシュが大きく貯まることはありません。

しかし減価償却費として計上した費用のうち、修繕等をしても余った分は現金が積み上がります。

現金は通常、物件の取得資金の一部として使われるのですが、現在の不動産マーケットを考えた場合、良い物件で利回りが高い案件は減っており、それであればメザニンローンに投資した方が利回りが高くなるという状況になっています。

スターアジア不動産投資法人が今回取得するメザニンローンの条件は「期間6年、利率は3ヶ月TIBOR+5%」となっています。

普通にオフィスビルを購入しても償却後利回りで5%は無理ですので、メザニンローンに投資することは合理的と言えます。

そしてこちらがメザニンローン案件の概要です。

f:id:gfplite:20171223093020p:plain

厳密にはノンリコースローンに対する劣後受益権になっていますが、分かりやすくすると下記のような形になります。

f:id:gfplite:20171223093053p:plain

分かりやすくまとめると28億円の笹塚サウスビル対するメザニンローンとなります。

メザニンローンより回収が劣後するエクイティ部分は851.5百万円ですので、不動産価格28億円の約30%となります。

つまり笹塚サウスビルが約30%下落(851.5百万円下落)して1948.5百万円になってもメザニンローンは毀損しません。

それで「3ヶ月TIBOR+5%」の利回りですので投資としては悪くないと思います。
さらに30%以上下落した価格で物件を処分する際はメザニンローンの債権者であるスターアジアに処分権があります

何か大きなショックで不動産価格が下落し、メザニンローンがデフォルトするような場合でも、30%下落した1948.5百万円で笹塚サウスビルをスターアジア不動産投資法人がそのまま物件を取得すれば問題ありません。

メザニンローンは償還され、現在よりも30%安い価格で笹塚サウスビルを取得できます。

スターアジア不動産投資法人の運用会社はこの辺まで考えた上でメザニンローン債権に投資しているはずです。

最悪、リーマンショックのようなことが起こっても笹塚サウスビルが1948.5百万円であれば、利回り的にみてもREITに組入れが十分可能との判断です。

デメリットはメザニンローンの場合、不動産価格が上昇してもキャピタルゲインがないことです。

ただし、J-REITは資産のほぼ全てが不動産ですので、不動産価格が上昇すればそちらで享受できます。

よってJ-REITがメザニンローンに投資することは、リスク分散にもなりますので非常に理にかなっていると考えられます。

不動産価格の下落リスクを抑えながらポートフォリオの利回りアップに貢献できます。

おそらく今後、メザニンローンに投資するJ-REITは増えていくでしょう。