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米国は10年で1兆ドル(約110兆円)の個人減税なのに日本は年間2800億円の個人増税

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米国の個人減税は所得税の税率引き下げを中心に10年間で1兆ドル110兆円)ですので、1年当たりに直すと1,000億ドル(11兆円)の減税となります。

日本では年収850万円以上の会社員の所得税増税を中心に年間2,800億円の増税となります。

ちなみに法人税も米国は連邦法人税率を35%から20%へ大幅に減税するのに対し、日本も賃上げや設備投資を行う企業に減税を行いますが、規模が全く異なります。

日銀の量的金融緩和やROE経営の推進等、様々な手を打った結果、日経平均が23000円前後まで回復し、更に目標まではまだ開きがありますがインフレ率(コアCPI)も+0.8%まで上昇してきました。

長期の株価低迷とデフレからようやく脱却できそうなところまで来ています。

日本の財政状況が厳しいことはもちろん承知していますが、ここは本当に正念場でもあるので消費マインドを冷やす増税はやめてほしいところです。

今のところ2019年10月には消費税の増税も行われることになっています

消費税は1%税率を上げると年間2兆円の増税効果と言われていますので、8%から10%に上げると年間4兆円の税収がアップします。

消費税の増税は景気が悪化すると再度延期となると思われます。

それであれば足元で僅か2800億円の増税をして景気が悪化する要因を作るくらいなら、あと2年は財政赤字が増えることを覚悟して景気回復に全力を注ぐべきと思います。

2800億円というと大きな金額に見えますが、日本の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は今年度も20兆円近くの赤字になります。

2800億円赤字が増えても、赤字額が1%強増えるだけでほとんど誤差の世界です。

それより景気が上向いて、2年後に消費税増税で4兆円のプライマリーバランス改善を目指すべきです。

さらにインフレ率が上昇すれば実質的な負債は減ることになります。

日銀の目標である2%のインフレ率が10年続けば単純計算で負債が20%前後減るのと同じ効果となります。

正確には毎年2%のインフレ率が続くと物価は1.02の10乗(1.02×1.02×‥・1.02)で21%上昇します。(1.21倍)

日本の政府債務は約1,000兆円です。

これをインフレ調整して実質ベースに換算すると1,000兆円÷1.21=826兆円となります。

つまり10年間2%のインフレが続くことで実質的に180兆円の負債が減るということになります。

これらを考えると今は全力で景気回復、デフレ脱却に注力すべきです。

個人の増税をやるより、議員(国会だけでなく地方も)を減らしたり、コストをかけて税金を奪い合う「ふるさと納税」など無駄な施策をやめる方が先ではないでしょうか。

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