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2017年11月の海外REIT投信は2,000億円以上の流出で1兆円ファンドがなくなる / だからこそ海外REITは買い

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公募投信の海外REIT型は2016年11月以降、資金流出が続いており、これで13ヶ月連続の流出超となりました。

さらに2017年11月の流出額は2,108億円で今年最大となりました。

個別の投信をみても残高が大きく減っているのが確認できます。

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公募投信全体でも運用残高1位、2位である「フィデリティ・USリート・ファンドB」と「新光US―REITオープン(ゼウス)」は共にピーク時1.5兆円以上の残高を誇っていましたが、大きく減少し、もう間もなく1兆円を割りそうなところまできています。

現在、ETFを除く公募投信で1兆円を超えているのはこの2ファンドのみですので、もう少しで国内から1兆円を超える投信がなくなりそうです。

ちなみに1ヶ月で2,000億円の流出というのはかなりのインパクトになります。

現在、米国リート時価総額は90兆円前後です。

日本株全体の時価総額は700兆円近くです。

よって米国リート市場の2,000億円は日本株市場での約1.8兆円ということになります。

もし、日本株で1ヶ月に1.8兆円の売り越しとなる投資主体があるとかなりのインパクトになります。

日銀のETF買いでも年間6兆円ですので1ヶ月では5,000億円ペースです。

それでも海外REIT市場が混乱しているかというとそうでもありません。

海外REITの約70%を占める米国リートのインデックスの推移がこちらです。

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2016年7月につけた過去最高値にはまだ届いておらず、高値を更新している米国株式と比較するとかなり出遅れてはいますが、チャートをみるとそれほど悪い動きではないように思えます。

高値更新まであと約5%の水準ですので、ここから上昇すると一気に上昇トレンドとなる可能性もあります。

米国のマクロ景気が大幅に悪化する可能性はそれほど高くないと考えるのがコンセンサスと思われます。

米国の金利上昇も直接的にはリートにとってマイナス要因ですが、金利が上がるということは通常、景気も良いということで不動産価格や賃料の上昇が予想されることからトータルではマイナス要素とは言えません。

実際、2004年~2006年の米国の利上げ局面で米国リートは大幅に上昇しています。

過去1年間、日本の投信市場から大幅な資金流出があったにも関わらず、大崩れせずに推移しているのはマーケットの強さを示しているとも言えます。

海外REITから資金が流出しているのは金融庁の圧力による分配型投信の販売自粛や分配金の引下げで分配金を目当てに購入していた投資家からの解約です。

トータルリターンではほぼ全ての投資家がプラスになっているということも心理的に解約しやすいのではないでしょうか。

これらを総合すると購入するタイミングとしては悪くないのではないでしょうか?

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