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年収800万円超で所得税増税、これではいつまでたっても景気は良くならない

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給与所得控除の上限を減らすことで年収800万円超のサラリーマンは増税になるようです。

現在報道されている案はこちら。

  • 会社員の給与所得控除を一律10万円減額
  • 年収800万円超では控除額をさらに減額
  • すべての人に一律38万円が適用される基礎控除は10万円増額

よって、年収800万円以下の会社員はプラスマイナスゼロです。

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高所得の会社員はここ数年の税制改正などで段階的に税負担が増えています。

例えば2011年に子供の扶養控除がなくなり、その代わりとして子ども手当が支給されるようになり現在は児童手当という名称になっています。

従来の扶養控除では仮に0歳~15歳の子供がいた場合、所得税を計算する際は38万円、住民税を計算する際は33万円が所得から控除されていました。

年収1000万円で税率を30%前後と仮定すると約10万円の税金が少なくなる形になっていました。

それがなくなり、現在の児童手当では所得制限があるため年収1000万円ですと毎月5,000円で年間6万円です。

差し引き約4万円の増税となっています。

子供が2人以上の家庭は更に税負担の増加が大きくなります。

年収1000万円程度ではそれ程裕福な生活ができるわけではありません。

そこから少しずつ税金を増やされると消費マインドはどうしても低下してしまいます。

本来なら年収1000万円前後の人にお金を使ってもらうことで消費拡大→デフレ脱却→経済成長を実現すべきなのにやっていることは真逆です。

日銀が大規模金融緩和で前例のない施策にまで踏み込んで頑張っているのに、政府がやることは昔と何ら変わっていません。

日銀の今の金融緩和は長くてもあと2年位が限界です。

せっかくコアCPI(消費者物価指数生鮮食品除く)が前年同月比で+0.8%とバブル崩壊後では最も高い数字になり、デフレ脱却の可能性がほんの少し見えてきたのに、ここで増税はないと思います。

上記リンク先のコアCPIの記事でも書きましたが、日本のデフレの要因としてマインドによる部分が大きいと感じます。

税金負担が徐々に増していくようなやり方をされるとまた税負担が増えるかもしれないので節約しようということになります。

既に国の借金は1000兆円を超えているのでプライマリーバランスの改善でコツコツ返済してくことは不可能です。

インフレの力を借りないと財政は健全化しません。

それであれば目先の問題は目をつむって、デフレ脱却だけを考えれば良いのではないでしょうか。

金融緩和と財政出動、まさにシムズ理論ですが、この理論が実際に効果を発揮するのか日本が実験するときです。

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