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ロシアルーブルの円高抵抗力を検証 / ピークで投資しても時間が解決

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高金利通貨・資源国通貨として人気が高いロシアルーブル(対円)の2005年以降のチャートです。

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  • 赤い矢印は下記で紹介している投信の設定日です

2000年以降でロシアルーブルが対円で最高値を付けたのは2007年7月で1ルーブル=約4.80円でした。

2017年10月25日時点で1ルーブル=約1.98円ですので、最高値から60%近く下落した(円高ルーブル安になった)ことになります。

しかし、高金利通貨の場合、金利収入が大きく、為替が下落した場合でも必ずしも損をするというわけではありません。

例えば高金利通貨の代表格であるプラジルレアルは最も円安ブラジルレアル高であった2008年7月(1レアル=約70円)に投資した場合、2017年10月現在、1レアル=35円前後ですがインカム収入を加えたトータルリターンでは30%前後の利益となっています。

では、ロシアルーブルの場合はどうなっているか確認します。

ロシアルーブル建て債券に投資する投資信託で最も古くから存在するのは「DWSロシア・ルーブル債券投信」です。

設定日は2008年5月29日ですので、1ルーブル=約4.45円の時です。

上記チャートの赤いマークの時です。

最高値をつけた2007年7月から7.3%安いタイミングです。

DWSロシア・ルーブル債券投信の分配金を出さないタイプである年2回決算型の基準価格は2017年10月25日現在で11,199円です。

つまり設定来で約11.2%の上昇ということになります。

よって、仮にロシアルーブルが最高値を付けた2007年7月からロシアルーブルに投資した場合でもトータルリターンは若干のプラスということになります。

通貨が60%下落しても時間を味方につけることでプラスになっています。

最悪のタイミングでロシアルーブルを買ってもこのような結果になっていますので、高金利通貨の長期投資というのは悪くないのではないでしょうか。

高金利通貨は長期で保有すればするほど、インカム収入による積み上げが増加し、結果的にリスクが低下することになります。

全ての高金利通貨が良いわけではありませんが、経常収支・財政収支・外貨準備高・実質金利などを総合的に分析したうえで、為替の水準も割高でなければ、長期投資を前提に保有してみるのも悪くないでしょう。

また、ロシアルーブルは原油価格との相関性が高いことでも知られています。

よって、原油価格が大きく下落した際、ロシアルーブルもある程度下落しているはずですので、そのタイミングで長期投資を前提にロシアルーブルに投資するのも良いと思います。

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