投信・ETF(債券型)

ハイイールド債とバンクローンの代表銘柄トイザらスが破たん報道

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2017/9/6、CNBCなど複数メディアでトイザらスがチャプター11申請の可能性があると報じています。

トイザらスは2005年ベインキャピタルやKKRが関連する投資グループに買収され、株式は非公開となっています。

再上場を目指していましたが、近年競争激化により業績が低迷して赤字が続いていました。

トイザらスはハイイールド債やバンクローンの代表的な銘柄で、日本国内でも販売されているハイイールド債やバンクローンが投資対象となっている投資信託のパンフレットに銘柄例として度々紹介されています。

トイザらスのハイイールド債は報道後、大きく下落しています。

2018/10/15償還、クーポン7.375%の無担保米ドル建て社債の債券価格は報道前日の2017/9/5が96.7、2017/9/6に53.5まで下落し、2017/9/8時点で71.3となっています。

格付けはムーディーズが2014/4/4以降Caa2で継続、S&Pが2017/9/7にCCC→CCC-に格下げしています。

ハイイールド債やバンクローンの対象ですので、当たり前と言えば当たり前ですが、デフォルト報道前から格付けはCCC格、残存期間が約1年で最終利回りが約10%強(単価96.7、クーポン7.375%より計算)の条件でした。

トイザらスからは正式に破たんするとのコメントは出ていませんが、マーケットはある程度織り込んでいるようです。

発行体が破たんした際のハイイールド債の回収率は平均すると40%~50%程度(バンクローンの回収率は70%前後)です。

トイザらスの社債は上記の通り、一時的に53.5まで下落しましたが、その後リバウンドし71.3ですのでマーケットは平均よりも高い回収率を見込んでいるようです。

日本企業の場合は破たんすると回収率が10%~20%が平均値となりますので、米国のハイイールド債やバンクローンの回収率の高さは際立っています。

日本の場合はギリギリまで頑張るので破たんする数は少ないですが、破たんした時には既に資産を食いつぶしているケースが多くなります。

米国の場合はゴーイングコンサーンを前提に、早めに見切りをつけて債務整理をして出直すので、資産が劣化しておらず回収率も高くなります。

どちらが良いとは言い切れませんが、経済の活性化のためには米国の方が優れているように感じます。

<2017/9/20更新>

トイザらスが正式に破たん申請(チャプター11)を行い、少し状況が変化しましたので追加情報を下記に掲載しました。

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