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ブラジルレアルを取り巻く環境は改善中 / 2017年7月

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これまでも何度かブラジルレアルに関する記事を掲載しておりますが、今回は現状のアップデートをお送りします。

2017年5月18日にテメル大統領の汚職疑惑が報じられ、回復基調であったブラジルレアルは大きく下落しました。

1ドル=3.1レアルから1ドル=3.4レアルまで下落しました。

この時の記事はこちらです。

前回の記事からまだ20日しか経過していませんが、ブラジルを取り巻く環境は順調に回復しています。

下記に改善している点についてポイントを掲載します。

  • 一時期10%を超えていたインフレ率は低下が続いていたが、ついに3.0%まで低下
  • ブラジル選挙高等裁判所は2014年の大統領選挙を有効と判断し、大統領選に関する疑念は解消された
  • テメル大統領の収賄罪に係る起訴に対し、下院委員会は同意せず、8月上旬の下院本会議により起訴が否決される見通しとなった

これらの要因によりブラジルレアルも堅調な推移となっています。

あとは景気(実質GDP成長率)がもう少し上向くともっと良くなるのですが。

円/レアルで見ると、円/ドルレートが円高にシフトしているため分かりにくいですが、レアル/ドルレートはテメル大統領の汚職疑惑が報じられる明の水準である1ドル=3.1レアル前後まで回復しています。

ちなみに、レアル/ドルはリーマンショック前の2008年8月には1ドル=1.55レアルまで上昇していました。

この時はその後、リーマンショックで急落しましたが、この時でも1ドル=2.5レアルまでの下落でした。

2015年~2016年上句にかけて1ドル=4.2レアルまでの下落となりましたが、これは2002年のハイパーインフレ(インフレ率17%まで上昇)と政局等の混乱が重なった時以来の水準でした。

この時はかなり特殊な状況でした。

現在のブラジルレアルを取り巻く環境を総合的に考えると、感覚的には1ドル=2.5レアル程度までの戻りは十分に考えられると思います。

後は円/ドルレートがどうなるかということになりますが、1ドル=2.5レアルで1ドル=100円であれば1レアル=40円となります。

1ドル=110円なら1レアル=44円となります。

当面のブラジルレアルの戻りの目標はこの辺りではないでしょうか。

インフレ率さえ安定すれば不可能ではないと思うのですが。

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