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ISM製造業景況指数は概ね堅調(2017年7月)

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2017年6月のISM製造業景況指数は57.8と事前予想を大きく上回り、3年ぶりの高水準となりました。

ISM製造業景況指数は50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示し、米国景気の先行指標として注目されている指標です。(ただし、45〜55のレンジはノイズである可能性もあるので過度に意識する必要はありません。)

今回の数字はマーケットには概ねプラスの内容となっています。

特に内訳をみると「生産」62.4 (前回57.1)、「新規受注」63.5 (前回59.5)が前回を大きく上回り、かつ60を超える高水準であることは米国製造業の力強さを裏付ける形となります。

また、1年前は52ポイントであった「輸出」が59.5まで上昇してきたこともマーケットには明るい材料です。

1つ気になるのは「仕入れ価格」が55と景況感の判断の分かれ目となる50を上回っているものの、前回5月の60.5から大きく下落した点です。

ちなみに「仕入れ価格」の直近のピークは2017年3月の70.5で、4月68.5、5月60.5、6月55.0とかなりのハイペースで下落しています。

2016年後半から2017年2月頃まで上昇基調であった米国の消費者物価指数(CPI)もここ数力月は低下傾向で1.9%となっています。

好景気で低金利にもかかわらずモノの価格が上がらない状況は景気悪化の兆候でなければ良いのですが。。。。。。

FRBは2015年12月から段階的に利上げを行なっており、現在、政策金利であるFFレートは1.25%です。

インフレ率が低く推移している事で利上げを急ぐ必要がない点は良いのですが、あまりに利上げを遅らせるとバブルの種を作ることにもなります。

そういう意味でFRBの舵取りはかなり難しい局面になっています。

そして、個人消費の柱の1つである「自動車販売」は年率換算で1,700万台を4ヵ月連続で下回っており、当面厳しそうな状況ですが、こちらはマーケットもある程度織り込んでいると思われます。

後は今のところ堅調なもう1つの柱である「住宅」関連の指標が悪化しないかチェックしておく必要があります。

中古住宅販売件数などが悪化してくるとマーケットにも悪影響が出そうなので注意が必要です。

7月の中古住宅販売件数は25日ごろに公表されます。

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