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コアCPIの先行指標は4月も伸び悩み円高要因に

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 4月の「日経ナウキャスト予測物価指数(商品名・日経CPINow・S指数)」は前年同月比で0.54%の上昇にとどまり、上昇幅は2か月連続で低下しました。

日経ナウキャスト予測物価指数(商品名・日経CPINow・S指数)」は総務省が公表するコアCPI(消費者物価指数 生鮮食品除く)と同様の計算手法であり、コアCPIの先行指標です。

総務省が発表する2017年4月のコアCPIは5月26日頃に公表されますが、「日経ナウキャスト予測物価指数(商品名・日経CPINow・S指数)」は4月19日に公表されています

すごい速報性です。

2月までは原油価格の下落が物価を押し下げている大きな要因と言われていましたが、その影響がなくなった3月以降も、物価は上昇する感じではありません。

逆に3月以降低下しています。

日本はインフレ率が低いため、米国やユーロ圈と比較しても実質金利(名目金利-インフレ率)が高くなっています。

これは為替レートを円高にシフトさせる要因となっており、日銀はそれを改善すべくインフレ目標2%を掲げています。

日銀の量的金融緩和は国債等債券の買入れだけでなく、世界の中央銀行で初の、株式(ETF)やREITの買入れまでやっています。

しかし、そこまでやっても現在のところ大きな効果を上げていません。

日銀の金融緩和だけでは効果が表れないので最近はシムズ理論といわれるものまで出てきました。

このシムズ理論は財政再建のために増税するのではなく、さらに借金を増やし財政政策を行えばどこかでインフレが起き、実質的に借金が減るであろうという理論です。

間違ってはいないように感じますが、失敗すると大変なことにもなりそうです。

しかし、政府関係者もシムズ理論を真剣に考えているという話も聞きます。

いずれにしても米国やユーロ圈の実質金利が-1%~-2%であることからいくらゼロ金利でも日本の物価が上昇しないと円高になります。

そうなると株価も下落するので日本人にとっては大問題です。

逆にインフレ率が2%程度になれば、全てが良い方向に変化すると思います。

円安、株高、国の債務削減と180度変化します。

シムズ理論にかけるべきかもしれません。

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