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日本の財政破綻を気にする人が減っていることが不安

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最近、日本の財政破綻リスクを心配する声が減ってきているように感じます。

下記のような理由でギリシヤやアルゼンチンとは異なり、問題ないという意見が大きくなっています。

  • 国債は全て円建ての為、通貨が下落しても返済負担は増加しない
  • 国債の投資家は大半が国内の投資家
  • 経常収支も黒字なので国内でのファイナンス(調達)を継続できる

しかし、国内の投資家は日本国債を買う義務まではないので、本当にリスクがあると思えば買わなくなるはずです。

経常収支も2012年~2014年のように黒字が大幅に減少する可能性もあります。

更に日本の借金は日々増加しており、財務省が四半期ごとに公表しているデータによると「国債・借入金・政府短期証券」の合計は2018年3月時点で1087兆円となっています。

人口1人当たりにすると約860万円です。

また、プライマリーバランス黒字化の時期もどんどん後づれしており、本当に黒字化できるのかも怪しくなっています。

このような状況を考えると多少はリスクについて頭の片隅に置いておいた方が良いと感じます。

どのような問題でも、多くの人が心配している間は大きな問題にならないのですが、多くの人の意識から外れるととんでもない問題になることがよくあります。

金融マーケットがクラッシュする時はいつもそうです。

その為、日本の財政破綻を心配する声が減ってきているようで少し心配です。

そして、日本が財政危機に陥らないためにはプライマリーバランスを黒字化することとインフレ率を2%程度まで上昇させることが必要です。

日本もどこかのタイミングで長期的に財政が安定するような施策を考える必要があります。

個人的にはSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)を活用して将来のリスクに備えているノルウェーなどは素晴らしいと思っています。

日本は1人当たり約860万円の借金ですがノルウェーは1人当たり約2,000万円の余剰資金です。

最後に、日本の財政問題とは全く反対で、最近すごく多くの人が気にしている「米国債の逆イールド発生」については、これだけ多くの人が注目していたら、そうはならないのではないかと思い始めました。(もしくは逆イールドになってもマーケットがクラッシュしないのではないかと思います)

過去2回の大暴落時に出現した逆イールドは注目したいのは分かります。

しかも、もう少しで逆イールドが発生しそうな状況です。

普通に考えれば、ここまでくれば逆イールドが発生し、世界の株式市場は大きく下落と考えるのがセオリーかもしれませんが、注目している人(心配している人)があまりにも多すぎる気がします。

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