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VIX指数のベア(インバース)型ファンドがとんでもないことに(90%以上下落)

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VIX指数は米国のS&P500指数のボラティリティ・インデックスです。

分かりやすく言うとS&P500指数の変動率を表す指数です。

通常、株価が急落すると大きく上昇します。

よって、個人的には保有株式のヘッジ手段としてVIX指数に連動するETFなどは短期保有であれば有効だと考えています。(ロールコストには注意)

ニュースを見て初めて知ったのですが、世の中ではVIX指数のベア(インバース)型ファンドというものが開発されていました。

つまり、VIX指数が上昇するとマイナスになるETF(ETN)です。

これが今回のマーケット急落でとんでもないことになっています。

VIX指数の直近の推移は下記の通りです。

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ここ数日間の米国株下落によりVIX指数は10未満だったのが37まで急上昇しています。

ちなみに日中の動きでは50まで上昇しています。

しかし、上記のリンク先に掲載していますが、ここ数年でも2015年のチャイナショック時や2010年・2011年の欧州債務危機時も50前後まで上昇していますので、今回は想像ができない程の上昇というわけではありません。

リーマンショック時は89まで上昇しています。

それでも今回の動きで、下記に紹介する商品(ETN)はそれなりに運用資産残高を集めたあげく、ほぼ全資産を失っています。

VIX指数ベア(インバース)型の代表的な商品はこちらです。

べロシティーシェアーズ・デイリー・インバースVIX短期ETN(ティッカー:XIV)

  • 資産規模:約2,000億円
  • 直近の下落率:-96% (1/22~2/7:144.7→6.23に下落)

NEXT NOTES S&P500 VIXインバースETN(東証2049)

  • 資産規模:約400億円
  • 直近の下落率:-97% (1/11~2/7:40,100→1,146に下落)

VIX指数が9から最大50ですので5倍以上になっています。

つまり、ベア(インバース)型は1/5以下になるということです。

購入した投資家はもちろん自己責任ということでしょうが、組成した会社もこのような動きになることは想定できなかったのでしょうか。

今回はVIX指数が上昇する前に下がり過ぎていたことで、変化率としては大きくなってしまった面もあるので仕方がないのでしょうか。

今回の件で今後、VIX指数のベア(インバース)型に投資する人はいないと思います。

また、ベア(インバース)型ではない通常のVIX指数に連動するETF(ETN)もロールコストの問題などがあり長期保有には向きません。

よって、VIX指数を投資に使うとすれば株価急落の短期的なヘッジしかないと思います。

それであれば無理に活用しなくても株式市場の下落のヘッジであれば株式指数の債物やETFのショートポジションで良い気もします。

VIX指数は投資対象としてあまり機能しないと感じています。

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