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米国株下落のテクニカルサイン(ヒンデンブルグ・オーメン)が点灯

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こちらのページは「ヒンデンブルグ・オーメン(ヒンデンブルグの予兆)」という株式のテクニカル指標について解説しています。

かなり興味深いテクニカル指標です。

まず最初に、「ヒンデンブルグ・オーメン(ヒンデンブルクの予兆)」に関する日経新聞の記事から紹介します。

2017/8/29日経朝刊

「適温相場」忍び寄る影米株下落サインに身構え

米国の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を受けた28日の株式相場は小動きだった。注目イベントを通過してもなお、ゴルディロックス(適温)の名を借りた膠着から抜け出せない。だが、株価下落の可能性を示唆するテクニカルなサインもちらほらと出始めている。敏感な一部の投資家は早速、リスク回避の姿勢を強め始めている。

「(日経平均株価が)1万8000円台のプットオプション(売る権利)を大量に買った」(シンガポールのヘッジファンドの日本株運用担当者)。「外国人持ち株比率が50%を超えるファナック株を空売りした」(50歳代の男性個人投資家)。いずれも28日に聞かれた投資家の声だ。悲観の根拠は「ヒンデンブルグ・オーメン(ヒンデンブルグの予兆)」と呼ばれるサインが先週、米市場で点灯したから、だという。

このテクニカル指標は、第2次大戦前に爆発事故を起こしたドイツの飛行船ヒンデンブルグ号に由来し、良くないことの前兆を意味する。過去1年の高値・安値の更新銘柄数など複数の条件からはじき出される米国株の急落サインだ。

サインがともると77%の確率で株価は5%以上下落、41%の確率でパニック売りにつながるとされる。リーマン・ショックなど近年の株価急落時の前には同指標がほぼ点灯していた。

米国株は割高感が指摘されながらも過去最高値圏にあり「いつ下がるかという不安を抱えながら買った投資家も増えている」(米系証券会社)。こうした投資家はちょっとしたきっかけでも売りに回りやすい。こんな背景があるのも警戒が強まる理由のようだ。

予兆の有効期間は約30営業日とされるので、9月中は急落リスクを抱える。間の悪いことに、9月は「経験則上、5カ月周期で大幅に上昇する米VIX指数(恐怖指数)の次の上昇月と重なる」(大和証券の木野内栄治氏)という。

機敏な投資家は早速、備えに入った。日経平均の9月物のプットオプション(売る権利)を見ると、先週から1万8500円(28日終値比で4.9%安)や1万8000円のプットの人気が高まっている。予兆が現実になれば日本株も影響が避けられないからだ。

問題はどの程度のエネルギーを伴って日本株に波及するか、だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮田直彦氏は「日本株は米株と違ってすでに割安。日経平均の下げはPER(株価収益率)13倍の1万8400円程度が下限だろう」と予想する。

みずほ総合研究所の高田創氏も「米株が急落すれば年内の利上げがなくなり、米景気回復期間がより長くなるかもしれない」とみる。短期的にはダメージでも「災い転じて福となす」可能性もあるとの指摘だ。

ヒンデンブルグ・オーメンは前回、6月に点灯した。その後に米国株が急落した形跡はなく、絶対的なサインではもちろん、ない。「米国にしては珍しく、科学的根拠の乏しい指標」との指摘もある。それでも話題に上る背景には、上にも下にも動かない東京市場の何ともいえない気味の悪さが横たわっているのかもしれない。

身構えることができるときは相場が下落しないものだが

上記記事の「ヒンデンブルグ・オーメン(ヒンデンブルグの予兆)」と呼ばれるテクニカル指標を初めて知りました。

サインが点灯すると「77%の確率で株価が5%以上下落、41%の確率でパニック売りが起こる」と言われると何か心配になるのも無理ありません。

また、今年の6月に1度サインが点灯した時は米国株の下落につながらなかったとありますが、逆にその分、今回は下がる確率が増えているとも言えます。

上記を言い換えると、5%以上下落しない可能性は23%ということになりますが、6月は下落していないので2回連続下落しない可能性は0.23×0.23で5.3%ということになります。

同様にパニック売りにならない確率は59%ですから、同様に2回連続パニック売りにならない確率は34.8%ということになります。

少しややこしくなりますが、米国株が今回5%以上下落する可能性は100−5.3 = 94.7%、パニック売りになる可能性は100−34.3= 65.7%ということになります。

確率論的にいうと米国株が5%以上下落する可能性はかなり高いようです

また、そこから更に下落してパニック売りになる確率は約2/3とそこそこ高い確率です。

しかし、過去の経験から普通の人がマーケットの下落を想定しているときは下がらないことが多いと感じます。

ショックが起こるのは上記の記事内にあるような株式を空売りしている人やフットオプションを買っている人が「やっぱり大丈夫」と思って強気になって、さらに少し経過してからになるのが一般的です。

米国株はバリユエーションも高く、割高との声が大きくなっているように感じますが、感覚的にはこのような声が少なくなった時が危険ではないかと思っています。

一般的に考えれば米国株などは一度調整すると思っている人が多いと思います。

しかし、このような時に限って、下落前の最後のラリーで大きく上昇したりするので相場は難しいです。

当面、グローバル株式はヒット・アンド・アウェイ作戦で、何かあったら手じまいする前提でラリーに付き合えば良いでしょう。

ウォーレンバフェットも良く使っているGDPと株式時価総額の割合(通称:バフェット指数)のグローバル版で見た場合、直近で世界の株式時価総額が世界の名目GDP総額を久しぶりに上回ってきました。

よって、長い目で見た場合、世界の株式市場は少なくとも割安な状況ではありません。

ラリーと割り切って短中期のスタンスで付き合うのが良いでしょう。

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