金融クイズ

スーパー金融マンになれるかクイズ(債券編)

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今回は債券関連の少しマニアックな問題です。

5問中最低3問は正解できないとスーパー金融マンとは言えません。

マニアックと言っても営業で役に立つ内容ばかりです。

言い換えると一流の金融マンと二流の金融マンの分かれ目になるような内容ですので、分からない点があれば復習しておきましょう。

①金利上昇局面で有効な債券型投信を1つあげよ(商品名、債券種類いずれでもOK)

解答例:バンクローン、短期ハイイールド債、債券ベアファンド、野村PIMCO世界インカム戦略ファンド

金利上昇局面では変動金利型商品やデュレーションが短い商品が有効となります。

バンクローンは変動金利型、短期ハイイールド債はデュレーションが短い債券です。

債券ベアファンドは金利が上昇(債券価格が下落)した場合に利益が上がる投信です。

野村PIMCO・世界インカム戦略ファンドは様々な債券に分散投資するアロケーション型の投信で金利上昇局面でも安定した利益を上げることが期待できる投信です。

②イールドカーブが逆イールドになった場合、今後どのような経済環境が予想されるか

解答例:景気後退局面に突入する可能性が想定される

イールドカーブが逆イールドになるということは、短期金利より長期金利の方が低い状態をいいます。

通常の経済環境では多くの期間でイールドカーブは順イールドとなっています。

過去、逆イールドが発生した例は1989年の日本、2000年と2007年の米国があり、いずれもその後大きな景気後退期を迎え、株価も大きく下落しました。

③バーゼルⅢ対応新型劣後債で実質破綻免除特約と劣後特約が付されたものはTier1 or Tier2どちらにカウントされるか?

解答:Tier2にカウントされます

簡単にポイントだけまとめると下記のとおりです。

  • 実質破綻免除特約+劣後特約→Tier2
  • 債務免除特約+劣後特約+永久債→Tier1

バーゼルⅢ対応新型劣後債は日本のメガバンクの発行も続くと予想されるのでしっかり確認しておきましょう。

④劣後債の期限前償還がスキップされるのはどのような理由が考えられるか?

解答例:債券の発行時と比較して期限前償還時における発行体の信用力が大きく下落している場合にスキップされる可能性が高くなる

期限前償還した場合とスキップした場合の調達コストを比較してスキップした方が経済合理性が良くなる場合はスキップされる可能性が高まります。

ただし、今後も同様の債券を発行していきたいと考える場合は、スキップにより今後の発行条件が悪くなったり、発行できなくなることも想定されるため、大きな違いでなければ期限前償還することもあります。

⑤次の債券の優先劣後関係を順番に並べよ(TLAC債、AT1債、Tier2債、シニア債)

解答:優先度が高い順からシニア債、TLAC債、Tier2債、AT1債

TLAC債が若干分かりにくいかもしれませんが、TLAC債はAT1債やTier2債と異なり金融機関が破たんした場合に使われることが前提となっています。(AT1債やTier2債は破たんを防ぐことを目的としています)

金融機関が破たんした場合に預金やシニア債を保護する形で元本が削減されます。

よって、逆に言うと破たんしなければ元本毀損がないということになります。

AT1債やTier2債は破たんしなくても元本毀損の可能性がある債券です。

まとめ

いずれも実務的にある程度なじみのあるものからバランスよく出題しました。

このレベルをしっかり答えることができれば、顧客からも信頼を得られると思います。

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